正視眼では見えない中国(3)
私は中国・上海に1998年から1年間だけアメリカ企業の駐在員として滞在していました。
その時見聞した奇妙なことを書きます。
「お箸を使う社会だから文化も似たり寄ったり」と思うでしょうが、日頃からナイフとフォークに慣れている私には相当異文化の国に思えました。
空気も悪い、習慣も違う、みんなが中国語を喋る(当たり前)で息が詰まりそうで、2ヶ月上海に駐在したら2週間新鮮な空気を吸いに、英語を聞きにロサンゼルスに帰るという奇妙な生活をしていました。
帰るのは良いんですが上海に行く時は必ずお土産を関係者、社員に持っていかなくちゃならないんです。
そのお土産品も日本で言う「東京バナナ」や広島の「紅葉まんじゅう」じゃダメなんです。
彼らが知ってるブランド名付きのものじゃダメなんですね。
時計だったらカシオのGショックじゃダメ(デジタルなんか馬鹿にされます)。
オメガかローレックスじゃなきゃ。
十数個もローレックス買えるんだったら中国なんかに会社作りません。
で、東京のアメ横で偽ブランド(だろう)オメガの時計を会社設立に貢献してくれた局長(もちろん共産党幹部)に。
後はなんでも良いや、ブランド名が入ってれば。
”一般向け”は上海のとある偽物衣料を専門に売っている路地で購入。
ロサンゼルスから成田を経由して上海に着いたら即刻その路地へ直行します。
ポロのポロシャツを1ダースくらい買い込みます。
翌日会社に行って「何にもないんだけどアメリカからのお土産だ。ポロのポロシャツだ」と社員に言うと「ワー、欲しかったんだよな」とか言って好きな色をむしり取ります。
「実はね、これらのポロシャツ例の◯◯路で買ってきたもんなんだ」なんて口が裂けても言いませんよ。
社員の喜ぶ顔を見ると良いことをしたんだなと、罪の呵責を感じつつ、苦笑いしたもんです。
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