アメリタ老の日々

アメリカ暮しが長いリタイヤおじさんの暮らしぶりを紹介

正視眼では見えない中国(9)



私は中国・上海1998年から1年間だけアメリカ企業の駐在員として滞在していました。


その時見聞した奇妙なことを書きます。


私の会社のオフィスは上海の目貫通り、南京路にありました。


東京ならば銀座通りといったところでしょうか。


私のアパートはそこから西に45分くらい歩いたところにありました。


通勤にはトロリーバスを利用していました。


一本道だったので交通渋滞がなければ20分足らずで行ける距離でした。


しかし、常時混雑していました。


歩道自転車専用通路車道2車線トロリーバス路線区別されていましたが、めちゃくちゃでした。


朝夕の時間帯自転車道路全体占領していたと言っても過言ではないでしょう。


そんなわけで、トロリーバス通勤の私は朝は社長出勤だったのですが、帰宅時です。


退社時間は他の従業員と同じ定刻退社


道は混んでいます。


そこで週2日くらいの割合で徒歩帰宅しました。


銀ブラよろしく南ブラしながら。


南京東路沿いには5星クラスホテル4、5軒ほどありました。


それらホテルを通り過ぎると必ずあることが起きました。


毎回です。


それは、日本語上手中国人青年が近寄ってきて「しゃちょさんしゃちょさん、ちょっと寄ってかない?ビール1杯どう?」と声かけて来るんです。


そうポン引きです。


「ビール」なんて言って、女の子世話してボッタくるんです。


私が「ノー」と英語でいっても、しつこくかけてきます。


どの国際級ホテルを通ってですから、うんざりです。


私が日本人であるということを見破ってんですね。


反対側にいても、混雑する道路横切ってしゃちょさんしゃちょさん」です。


大抵は違った男性が声をかけて来るんですが、あるホテルの前はいつも同じ人


「昨日も声かけてきたじゃん。お酒飲めないし、不自由してないから」と言っても、馬鹿の一つ覚えのように「しゃちょさんしゃちょさん、ちょっと寄ってかない?ビール1杯どう?」


そのうちその男顔見知りになって、「林ちゃん」「しゃちょさん」のになってしまいました。


そう、名前を聞いたんです。


日本語上野覚えたそうです。


ビール1杯どう?」が「タバコ1本くれないか?」と私に聞いてきた林ちゃん立場になりました。


「こんな商売やめなよ」なんて野暮なことを言わず、彼がホテル前から姿消すことを願っていました。