続 ボヤくリチャード
今日(水曜日)9時半、カフェの予定で現れるはずのリチャードは定刻になっても現れません。
彼の好きなチョコレート・クロワッサンとコーヒーを買って待っているのに。
そうすると「ゴメン、ゴメン」と言いながらカフェに入ってきました。
「8時半に泌尿科のアポがあったのすっかり忘れてたよ」
(「ボケもヒドイな」と言いたいところだけどそこは先輩)
「で、医者はどうだって?」と聞きました。
「前立腺の手術かも知れんな」と彼。
前立腺だったら先輩の私が年齢的に12歳も上の彼に丁寧に説明しました。
洋の東西を問わずシニアの会話はいつも医学の話ですね。
一通り万国共通のシニアの話題は終わり、次は2日前の日本旅行のボヤキです。
「あのキシダって奴は何してんだ。早く開国しろって言うんだ。ハワイにいる姉さんをもう一度日本に連れて行ってあげたいんだ」と言ってちょっと冷めたコーヒーをガブ飲みしました。
私も殊勝な彼の言葉に反応して「そうですよね、いつも日本政府は後手後手なんですから」と追い討ちをかけました。
「オレらアメリカが戦後日本から立ち直らせてやったんだ。もっとアメリカ人を大事にしろ、ってんだ」と怪気炎。
アメリカ対日本の国際問題にまでなりかねない勢いです。
「リチャード、日本はリチャードのためを思って大事を取ってるんですから。今、ここは我慢を」と宥めるのに躍起な私でした。
「立川から中央線に乗ってな、六本木で飲んだビールは美味かったな」と急に進駐軍時代の話を始めだしました。
もう何回も聞いたフレーズです。
私がニューヨークで残業中食べたピザが美味しかったのと同じですね。
彼の心の奥にはなんか日本人の血が流れている感じを受けました。
急に「オマエはいつ日本に行くんだ?この夏頃までは無理だぞ。あのキシダもコロナと一緒にいなくなればいいんだ」とボヤキが始まりました。
だから私は話題を彼の好きな車に変えました。
「そのお歳でまだ車を運転しているとは大したものですね」と言うと「今の若いもんの運転、なっちゃないな」と今度は世相ボヤキが始まりました。
長引く前に、コーヒーのリフィルを頼んで、会話を途切れさせました。
でも、彼の話を聞くのは楽しいです。
だから、月一で彼とコーヒーをするのです。
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