バイデン大統領はロシア産石油ガスの輸入禁止を発表しました。
アメリカのロシアからの石油ガス輸入は5%に過ぎず、ヨーロッパ諸国と比べたら小さいものです。
ロシアのウクライナ侵略に対するロシアへの経済制裁の一環です。
この石油輸入禁止措置はアメリカ社会にも大きな影響をもたらしています。
当然のことながら石油の価格が上昇すると、車のガソリン代も値上げとなります。
1週間前のあるスタンドンのガソリン小売価格
車社会のアメリカでは石油(ガソリン)の消費量は相当なもので、アメリカ経済に大打撃です。
脱化石燃料で車もガソリン車から電気自動車へと移行しつつありますが、まだまだガソリン車です。
石油価格高騰はカリフォルニアに特に影響を与えます。
ガソリン代に占められる税金の割合がアメリカでも比較的高くガロン(3.7リッター)当たり51セントを占めています。
(ちなみにこの数字はアメリカで一番高いものではなく、ペンシルベニア州が一番で59セントです)
でも、なぜカリフォルニア州のガソリン代が高いのかと言うと、税金の他に”クリーン・ガス”代という排気ガス規制のための特別混合石油精製代がかかるからです。
その他にカリフォルニア州はアメリカでも西部にあり、石油輸送に経費がかかるからです。
5大湖の方からパイプラインで石油を持ってきているわけではないからです。
カリフォルニア州は”ガソリン孤島”とも呼ばれています。
ロサンゼルスではこの1週間でガロン当たり70セントも値上がりしたところもあります。
最近のガソリン小売価格はガロン当たり平均$5.60です。
これはリッター/円に換算しますと174円です。
コロナ前の2019年の95円と比べるといかに高くなったかがわかるでしょう。
今年2月と比べても1.2倍高くなっています。
例えばフォード社のトラックを満タンにしたければ140ドルもかかるって言うわけです。
ガソリン代がバカにならないことがわかるでしょう。
そんな中、車の盗難ではなく(もちろん、まだ頻繁にありますが)、ガソリンの盗難事件が後を絶ちません。
ガソリンタンクに穴を開けて盗むというのです。
ロサンゼルス、ロングビーチで頻繁に起こり始めています。
日本のJAFにあたるAAAは次のようにガソリン盗難防止を呼びかけています。
ガソリンの匂いがしたらもしかして穴を開けられたのではないか?
エンジンがスタートしないのはガソリンが盗まれたのではないか?
エンジンがかかったものの燃料計動かないのはもしかしてガソリンが盗まれたのではないか?
と注意して欲しいと言ってます。
そして、路駐しないで自宅ガレージに駐車すること、外に駐車の場合は交通量の多い、明るい場所に駐車すること、できるだけ外部から簡単に人が入れない鍵のかかった駐車場を利用すること、人っけの多いところに駐車すること、など注意を促しています。
と、思いきや、つい最近では組織的なガソリン窃盗グループまでもが登場するありさま。
中型トラックの荷台にプラスチック製大型タンクを設置し、外見は普通の工事関係車両のように見せかけて、ガソリンスタンドのノズルを破壊して大胆に大量に盗むと言った手口。
その量、5千ガロン。
金額に直すと3万ドルにものぼるというから驚きです。
こうして、プーチン・ロシア大統領と一団のウクライナ侵略はガソリン窃盗事件まで生んでいるのです。
当然のことながら武力によって、人を殺し、難民を産み、平和な街を破壊する他国への侵略は即刻やめて欲しいです。
車を使うアメリカの人にまで被害が出ているのです。