正視眼では見えない中国(8)
私は中国・上海に1998年から1年間だけアメリカ企業の駐在員として滞在していました。
その時見聞した奇妙なことを書きます。
秘書兼運転手の兵兵くんが彼の友だち(中国人ってやたらと友だちが多いんですよね)孫さんの会社(日本企業の上海支社)が社員旅行をするをするので一緒に行かないかと、私を誘って来ました。
行き先は上海から西の杭州市西湖だというじゃありませんか。
思わず「行く、行く」と叫んでしまいました。
2泊のバス旅行というので「旅費は?」と聞くと「そんなのいいんだ」ととても雑でした。
孫さんの会社の従業員と兵兵さん、と私で15名もいたでしょうか。
上海の市街地を30分も走ったらもう田舎の風景でした。
道はある程度整備されてましたが、日本の観光地向けの道路とは違いました。
トイレ休憩といってもサービスエリアなんかじゃなく、普通の道の途中で、皆立ち小便。
女性はどうだったか覚えていません。
街道途中に農民が採れたてのイチゴを箱に入れて木に立てかけて売っています。
でも、農民は1人か2人で売ってる箱は10数個です。
旅人の一人が「バスを停めてくれ」と運転手に言いました。
2、3人が降りて行って売り手の農民のいないところのイチゴを箱ごと持てるだけ持って、バスに戻るじゃないですか。
盗んでいるんです。
ドロボーです。
シャーシャーとした顔で「儲け!」と行ってバスを杭州へ走らせたじゃないですか。
あまりにも短時間に素早く行われたので私は呆気に取られましたが、同じバスの中の同僚、悪いことしたとは全く思わず「バカな農民め」という具合でした。
昼時間になったので昼ごはんを食べることになりました。
それも驚きです。
小さな田舎町に一軒小さな飯店がありました。
老夫婦のしている店で「15人分の昼ごはんの材料はない」と言いました。
すると旅人の一人が「じゃ、オレがみんなの分作る。オヤジ、いいだろ」と言うじゃないですか。
オヤジ、うろたえて、何も言わずにいたら、言い出しっぺの男が、他の数人にお金を渡し、近くの商店で食材を買ってくるように命じ、厨房に立って中華鍋を使い始めたじゃないですか。
人んちの厨房を勝手に自分のうちのように使い始めたんです。
驚き桃の木です。
簡単な野菜の炒め物、スープ、豚肉の炒め物がテーブルに来ました。
それをおかずに白飯で勝手に食べたのを覚えています。
こんなのが通用する国なんだと驚くより、呆れました。
一時が万事、こんな調子でしゅた。
西湖の観光より、こんな出来事の方が記憶に残りました。
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